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竹中ギー太の忍法帖

ノンポリギター弾きの日々異常無し日記

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ジミー・ペイジ  無茶弾きの詩人

 

1944年生まれ 74歳のジミー・ペイジ です。

 

 

最盛期は長髪で竜の刺繍のパンタロンに胸板胸毛見せの挑発的ファッションで、ギブソン・レスポールを股下に低く構えた姿は、誰よりもかっこいいギターヒーローの姿として70年代に音楽を聴いていたものにとっては忘れられないものだと思います。

 

 

でも、すべてはビジネスのための挑戦だったのですね。

レッド・ツェッペリンを離れたジミー・ペイジは地味で恥ずかしがり屋のギタリスト。ギター一本で勝負する気もない猫背のおっさんでした。

 

レッド・ツェッペリンの実働期間は10年ちょっとですが、ライブバンドの名に恥じぬ大量のブートレグが存在し、ファンであればスタジオよりも本命です。

 

明らかにギターに手が届いていないミスピッキングも多いんですが、調子のいい日のものはスタジオ録音をはるかに超えるものもありますね。

最盛期は1973~1975くらいですが、楽器演奏が3人という状態での限界的オーケストレーションは今聞いても驚きます。

 

常に大観衆の中での演奏だったわけで、ギターの音色どうのこうのではなく、内容だけで勝負というのがレッド・ツェッペリンの宿命となるわけです。

バンドの運命が一人のギターにかかっているというのは、心配そうに見守る3人の視線で理解できます。

 

 

 


Led Zeppelin Earls Court 1975

 

 

 

 

ストラップが長すぎるレスポールより、ダブルネックSGのほうが楽そうにも見えて、そこまでして・・・とも思っちゃいながらもビジネスに徹してるのかと納得してしまいます。

やっぱかっこいいに越したことはないですし、ジミー・ペイジが普通の長さのストラップで現れたら「金返せー」ってなりそうな勢いではありました。

 

 

70年代初頭にロックバンドのメンバーがビジネス面で責任を持つということはあまりなかったし、それを成功に導いた才能はロックの歴史を変えたといってもいいです。

 

 

 

スタジオ録音は座って演奏していると思うんですが、リズム感が普通とはちょっと違います。

ぴったり合うことが少ないというか、ギター内世界は別の因果律が動いているような感じで、フィルムと音があっていないような部分が見受けられます。

ふつうはそれをリズム感が悪いというのでしょうが、許容できれば素晴らしい世界が待っているというのがペイジ流ロックです。

 

 

 

ライブで顕著ですが、ジミー・ペイジのギターのアドリブは映画フィルムが流れていくようなドラマ性に満ちています。

アドリブフレーズもブルージーとかイカスとかすごいとかの価値観ではなく、ドラマチックであることだけを追求しているように見えます。

演奏の核となっているフレディキング風フレージングも、ジャージーな場面で一番映えます。

 


Led Zeppelin - Stairway to Heaven Live

 

この一曲

これを聴かなかったら私は今生きては無かっただろう一曲です。

スタジオ版のほうがいいんですが、バンドでやるならこっちのほうですね。

 下はスタジオ版。

 

 

本人が弾くより、マニアのコピー演奏のほうがしっかりしてて聴きやすいくらいですが、それだけフレージングと構成が優れている証明になります。

 

今でも未聴のブートレグを聞くと、「天国への階段」ではどんな構成をとドキドキしてしまいます。

一番いい音がまさかのミスピッキングもドラマです。

 

 

 


レッド・ツェッペリン 狂熱のライヴ [Blu-ray]

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そうです、ペイジのアドリブは手慣れではなくドラマを綴っているのでミスが目立ち、そのショックもまたドラマなのです。

 

「アキレス・ラスト・スタンド」というレパートリーができてしばらくは好調を維持しましたが、ゼップの晩期は不調で見てられないような演奏も多かった。

スタジオでも「ホット・ドック」とかどういうことですか、と聞きたくなるような・・・

 

自らをライブヒーローとして演出したペイジですが、文学青年風の風貌通りバンド維持の責任がなくなると次第に表舞台から消えていきました。

アルバムとしてはまあまあの作品もいくつかあるんですが、輝けるゼップとはやっぱり比べられません。

 

 

地面が割れて溶岩が噴き出すような「幻惑されて」のソロ、シネマの1シーンのようなドライブギターの「ハートブレイカー」、息苦しい都会の中の燃え上がる恋「貴方を愛し続けて」、天空から舞い降りるなにか「天国への階段」、聖なる剣エクスカリバーの伝説「永遠の詩」、開かれる地獄の門「死にかけて」、そして「アキレス最後の戦い」。

 

 

ドラマですね。シネマですね。人生です。

 

本ブログで最もお勧めするコピー集です。

英語版ですがkindle版は非常に安いです。

 


Led Zeppelin: Mothership (TAB)

 

同様の英語版kindle楽譜ですが、どういうわけか全曲スタジオ版のコピー譜です。選曲が気に入った場合はお勧め。

 

 


Led Zeppelin: Celebration Day: Authentic Guitar TAB Sheet Music Songbook Collection (Authentic Guitar Tab Edition)

Led Zeppelin 公式作品 12作

 

1、Led Zeppelin Ⅰ 

 

ペイジのギターが最もフューチャーされた1968年の第一作目。

ヤードバーズからジミーペイジを除く3人が脱退し、ジョンポールジョーンズ、ロバートプラント、ジョンボーナムが加入。

レコーディングの際、バンド名をレッドツェッペリンに変更した。

 

 

2、Led Zeppelin Ⅱ

 

多忙を極めたライブスケジュールを縫って録音された1969年のアルバム。ワイルドでライブ感あふれる作風は現在も高い評価を得ている。

 

 

 

3、Led Zeppelin Ⅲ

 

1970年にライブ活動を中断し、休養を取りつつ創作された作品群。

ブリティッシュトラッドフォークの影響を受けた曲が大部分を占める。

移民の歌、祭典の日、貴方を愛しつづけて、などのレパートリーが登場。

 

 

4、Led Zeppelin Ⅳ

 

1971年発表。3までの経験から、アルバムとしてのバランスを重視した作品で最大のヒット作になった。代表作である「天国への階段」を始め、「ロックンロール」「ブラックドッグ」「レヴィ―ブレイク」などでバンドカラーを決定づけた。

 

5、Houses of the Holy

 

1973年発表。邦題「聖なる館」。キャッチーな曲は少ないが複雑なハーモニーでよく練られた曲が多いのが特徴。メンバー4人個々の創造性のバランスが取れた良作アルバム。

 

 

6、Physical Graffiti

 

1974年はライブ活動を休んでレコーディングに集中し、1枚のアルバム分と3~4の未発表録音で2枚組のアルバムとして1975年に発表。カシミールはバンドの代表曲となった。

 

 

7、Presence

 

1976年発表。ロバートプラントの大けがのためにライブ活動は中止となり。急きょ録音された作品。初期以上にジミーペイジの比重が大きく、全編が硬質なエレキギターの音に包まれた作品。ライブ感はⅡに近い印象。

 

 

8、The Song Remains the Same

 

聖なる館発表直後のマジソンスクエアガーデンでの1973年のライブ録音。1976年発表。ただし映画とは曲目や録音日が少し違う。2007年に未収録曲5曲を追加された完全版が発売される。

 

9、In Through the Out Door

 

1979年発表のスタジオ録音。前作から期間が開いたため過去のバンドとなった感が強かったが、新しさを出すためにジョンポールジョーンズのキーボードを中心にアレンジしている。この録音の翌年にドラマーのジョンボーナムが死亡する。

 

 

10、Coda

 

1980年発表。バンドを支えてきたボーナムの死により、レッドツェッペリンは解散となるが、最終作品として未発表曲をまとめて発表したもの。

 

12、Hou the West Was Won

 

2003年に発表された。1972年のツアーからの選曲。3枚組ライブでジミーペイジは自信作と言っているそうです。

 

 

 

 ジミーペイジ奏法の特徴

 

印象的な単音のハードロックリフはジョンポールジョーンズのアイディアによるものが多いそうなので、ペイジの特徴はブリティッシュトラッドフォークの複雑なハーモニーの応用の方だと思われます。

アドリブソロにおいては、力強いピッキングでギターの全音域に渡って弾ききるスタイルが多いようです。

半音~2音半という音域の広いチョーキングのヴァリエーションが必殺技と言えるでしょう。

 

メジャーkeyでは

6音のブルーノートスケールを使ったブルージーなメロと、6度、9度を加えたドリアン風スケールの機械的ラン奏法が目立ちます。

Aブルーノート ラドレレ♯ミソ + 6度のファ♯ 9度のシ

さらに短三度下のペンタトニック ファ♯ラシド♯ミ  明るいムード

 

マイナーkeyでは

 

マイナー7thペンタトニックによる速弾きを多用

主調ではドリアンスケール ラシドレミファ♯ソ

属調ではエオリアンスケール ラシドレミファソ

を使い分けコード感を出します

 

使用ギターは

 

スタジオでは、テレキャスター、レスポール、マーチンのアコーステック

ライブでは、テレキャスター、レスポール、ダブルネックSG、ダンエレクトロ

など、使い分けています。

 

「レインソング」や「死にかけて」などではオリジナルなオープンチューニングを使用。

ヴァイオリンの弓を使ったボーイングや、電子機器テルミンの使用も見せ場です。

 

レッドツェッペリンのギターコピーはネット上に大量にありますが、

 

 

正式版として、Ⅰ~Ⅴまでの全曲コピー譜 


Led Zeppelin I-V (Boxed Set) Platinum Guitar: Authentic Guitar TAB (Book ) (Alfred's Platinum Albums) (5 Book Series)

 

 

ジミーペイジのギターはピッキングが雑な部分があり、完全コピーが難しいと思います。

それがまたロマンを掻き立て、世界中に完全コピリストが沢山出現しています。

 

2015年にはLed Zeppelin 全作品のデラックスエディション発売など、現代でも古びることのない本物のモンスターバンドと言っても過言ではないと信じます。

 

ツェッペリンを聞いたことが無い人は人生の0.01%くらい損をしているのではないかと。

 

最後に個人的な LED ZEPPELIN のベスト10曲を

 

1、Dazed and Confused (幻惑されて)

2、Stairway to Heaven (天国への階段)

3、Since I've Been Loving You (貴方を愛しつづけて)

4、The Rain Song  (レインソング)

5、Achilles Last Stand (アキレス最後の戦い)

6、The Song Remains the Same (永遠の詩)

7、Heartbreaker (ハートブレイカー)

8、Kashmir (カシミール)

9、Black Dog (ブラックドック)

10、Ten Years Gone (テンイヤーズゴーン)