リンジー・バッキンガム 家庭的パパさんギタリスト
1947年生まれのロックギタリスト兼シンガー
1967年から同じ高校だった女性歌手スティーヴィー二ックスと「バッキンガム・ニックス」というバンドを組み、1975年に「フリートウッド・マック」に揃って加入するまで一緒でした。
8年も一緒にやってて、スターになった途端に仲たがいと言うのはずいぶん話題になりましたね。
マック加入2作目の「噂」は、このバンドの二組のカップルの破局を描いたものだとも言われていました。
Buckingham Nicks ~ Lola (My Love) ~ Alabama Live 1974
マックのリーダー「ミック・フリートウッド」はギタリスト「ボブ・ウェルチ」の後釜を探していたんですが、アメリカ人のリンジーのギターにほれ込み、加入の打診をします。
普通に考えれば当然ですが、コンビのスティーヴィーも一緒にと言うのですが、ミックは女性歌手ならすでにいるので入れられないと断ったそうです。
歌手でピアニストのクリスティン・マクヴィーという才女がマックの頭脳として君臨していたのです。
そこへ楽器をやらないスティーヴィーが加入すると歌手が3人になりバランスの悪いバンドになってしまいます。
結局、リンジーのギターは魅力的で、クリスティンも了解の上、スティーヴィー共々加入となった第一作「ファンタスティックマック」に持ち込んだスティーヴィーのリアノンが大当たりしたのですが・・・
Fleetwood Mac - Rhiannon ('75)
加入当時の映像ですが、地味女の語りのシーンを見れば、断った気持ちもわかりますが、曲が始まった途端に悪魔が取り付いたような凄まじいロックシンガーぶりを見せます。
さすがの大ベテランのミック(ドラムの人)もたじたじです。
郷ひろみのオクセンマーンの元ネタかな。
豹変したスティーヴィーの陰になってしまいますが、リンジーのギターはただ者ではありません。
ギブソンレスポールをトゥーフィンガーのピッキングでゆったりと粘るギターソロですが、大ホールでも美しいディストーションサウンドは相当難しいものです。
リンジーの最大の特徴は、長い下積み生活で鍛えたスタジオワークですので、まずはスタジオ版を聴きこんでほしいところですが、最近意外な事実を知りました。
世界的人気バンドで大ヒットを連発した、リンジー・スティーヴィ―時代のマックですが、日本でだけ人気が無いとか。
10年くらい前に75年当時のメンバーで世界ツアーを煩雑にやっていた時も日本だけ飛ばしていたそうです。
70年代は武道館でライブしてたはずなんですが。
確かに当時から人気は微妙だったかもしれません。
原因はもしかしてリンジーの地味なルックスとギターかも。
リンジーは高身長でハンサムなんですが、カントリー系が肌にあってたようで、ロックンローラーであることにはちょっと辛そうに見えました。
内部の男女間の亀裂とは裏腹にフリートウッドマックは世界的大ヒットを飛ばしまくっていきますが、その陰の立役者はリンジーであり、スタジオワークは冴えまくりました。
ライブも二人の女性歌手を有したロック魂溢れるバンドとして観客動員できていたんですが、やっぱりリンジーは地味だったかも。
ギターは通好みの凝った素晴らしい演奏でしたが。
Fleetwood Mac - Sara (Official Music VIdeo)
マック加入後3作目となる「タスク」よりスティーヴィー・二クス作の「SARA」(セーラ)です。このギターはライブでは再現不可能です。
2人の女性歌手のバックコーラスも素晴らしいんですが、ギターの多重録音の美しさが際立っています。
80年代に入るとリンジー、スティーヴィー共にソロ活動を活発に行うようになり、プリンスのプロデュース(音楽だけですかw)でスティーヴィーは大スターになります。
やっぱり日本ではイマイチでしたが。
いつもスティーヴィーのヒット曲を聴いて感じることですが、これでもいいけどギターがリンジーなら20倍はいいはずだ。
リンジーとスティーヴィーとクリスティンはマックを出たり入ったりするわけですが、マックの顔役でクスティンの元夫のジョン・マクヴィー(ベース)が原因かなと想像したりもします。
リンジーは普通の女性と結婚して子供も多く、アットホームな生活になったらしいです。
リンジー・バッキンガムはテクニカルギタリストではありませんが、通好みの何百回聞いてもさらに聞きたくなる大変な演奏家です。
割と最近まではマックでスティーヴィーらと共に世界ツアーとかやって元気なところを見せていました。日本には来ませんが。
と思ったらまた脱退して代わりのギタリストが入ってるみたいですね。
美しい二人の歌手と、それよりもさらに美しいギター演奏のフリートウッドマックの録音はその輝きを失うことはありません。
つまり、あの五人でないと、嫌なんですよ個人的に。
特にリンジーのギターです。
どうやって弾いているのかは知りませんし、特に興味はないんですが、素直に純粋に音楽として聴ける数少ないギタリストの一人がリンジー・バッキンガムです。
Fleetwood Mac - Go Your Own Way - Dance Tour '97
「ファンタスティックマック」「噂」「タスク」の超豪華版、それぞれ3枚組CDという日本では想像もできないくらいの人気バンドだと分かります。
元々ファンなら大歓喜のリマスターです。
これ以外の当時の作品も全部リマスターされているみたいです。
これはベスト盤です。濃い選曲で驚いてしまいます。
これから入るのもいいと思います。