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竹中ギー太の忍法帖

ノンポリギター弾きの日々異常無し日記

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ジョー・パス 孤高のジャズギター

ジョーパスは1929年生まれで、再デビュー作となる「サウンド・オブ・シナノン」が1962年なので33歳の時です。

 

 


サウンド・オブ・シナノン

 

1994年に65歳で亡くなったので、マイルス・デイビス(同じ65歳没)より3歳年下で最盛期のジャズミュージシャンとだいたい同期ですね。

 

よく言われる話ですが、ジョーパスは麻薬のために33歳までのキャリアを棒に振ってしまい、ジャズの人気が低調になっていた1961年からスタートとなってしまったと言う大きなハンデを背負ったと言うことです。

 

1923年生まれのウェス・モンゴメリーも本格デビューは遅かったんですが、最初からジャズ界では別格の扱いだったので、共演ミュージシャンは一流ばかりです。

 

ジョーパスの60年代はギタートリオなどのマニア受けの作品が多く、注目されるようになったのは完全ソロギターである1973年のヴァ―チュオーゾが初めてです。

 

ギターが二人のカルテット演奏による代表作 


フォー・ジャンゴ

 

ギタートリオのお手本 


インターコンチネンタル

 

全編ソロギターの芸術的作品


ヴァーチュオーゾ

 

ジャズギターを志す人たちにとっては60年代の宝石のようなラインこそがジョーパス奏法の極意と言えると思うんですが、ジャズ界で大物と認識されたのはジャズギタリスト初の試みである、「完全インプロヴィゼイションソロギター」の確立からでしょう。

 

ピアノであれば左手の伴奏の上に右手で自在にスイングするジャズラインを組み立てるのはトリオ演奏とそう変わらないのですが、ギターでは不可能に近いと言う分野への挑戦が当時のジャズで生きていくための必須条件だったと思われます。

 

その方法とは、単音ラインがドラムのレガートの如く3連でスイングする。

 

ジャズ → フュージョン の流れとは逆行するスイングジャズ的リズムアプローチをビバップジャズ理論上で展開したのですね。

 

ジャズ屋にとってはメロディがブラスバンドの全員一致スイングのように跳ねるのはカッコ悪いと言われた時代にあえておこなったのは、ギターと言う楽器の特性からです。

 

単音でアドリブに集中するためには伴奏などしていられない。ならば単音ソロでジャズのリズムをすべて表現しなければならないという必然です。

 

バンドの場合はドラムのレガートが常に3連であるため、ソロ奏者は自由なノリを表現可能ですが、単音だけになった場合はリズムの自由さは失われます。

 

60年代ジャズギタリストで最もリズムの表現にたけていたジョーパスだからこそできた、誰にもまねのできない技ではないかと思います。

 

 


Joe Pass - Satin Doll

 

 

そのフォームはピックを持ったウェス・モンゴメリーと呼んでもいいような我流で、彼以外に見たことはありません。

あんなピックの持ち方でなぜあれほどの力強いスピーディな演奏が出来るかは、もう誰にも分からないのではないでしょうか。

 

ぺデルセンとのデュオを見てもまともなフォームでは無いですね。

ジョーパスは一つのジャンルであると言われたように黒人的でも白人的でもない世界が展開されています。

 


Chops Lp [Analog]

 


Joe Pass Trio - Club Date 1989

さてここからが本題です。

孤高のジャズギタリストのCDとかの録音は現代でも価値があるのでしょうか?

ジョーパスの本格的活動期間は70年代~80年代なのでジャズとしてはそんなに古くは無いですが。

ジョーパスの演奏は最もオーソドックスでありながら恐ろしくマニアックで、これから聞くには相当な覚悟がいります。

 

真似は、出来たら凄いですが現代のジャズミュージシャンで合わせられる人は居るのでしょうか?

 

ジャズギター教本の聖典 一度は練習してますよね 


Joe Pass Guitar Style (Mel Bay Presents)

 

 

昔はジャズギターと言えばジョーパスを聴けと言う時代もあったようですが、今は忘れられたミュージシャンに分類されているかもしれません。

 

 

というのは録音に関してなのですが、譜面は今でも大量に手に入るようなので譜面上の練習課題としては世界的にも忘れられては居ないようです。

 

 

ジョーパスの全てを真似するのは不可能でも、一部の分かりやすい演奏だけを参考にすれば、現代でも十分通用すると言うのは私の意見です。

ギタートリオでジョーパス風と言うのは、リスナーからすれば安心できるスタイルですからね。

 

長くジャズギターを楽しみたいと考えている人ならジョーパスの研究と取り込みは必須項目ではと考えるに至りました。

 

 

 


The Best of Joe Pass: A Step-By-Step Breakdown of the Styles and Techniques of the Jazz Guitar Virtuoso (Guitar Signature Licks)

 

 

最新鋭ジャズギターと言ってもディストーションを使わなければビバップ奏法との違いなんてそうそう分かるものではありませんから。

 

まずはトリオ演奏のライブを集めて聞ききこんでみるのが良いと思いますが、あまりの情報量の多さにうんざりするのもわかります。

と言うことで一曲リピート聴きですね。

コンセプトミュージシャンでは無いので、アルバム単位の聴き方では疲れてしまいます。

全曲が全力の人みたいです。

 

 

タイトルには追従者なしと書きましたが、影響を受けていないジャズギタリストは居ないでしょう。

現代のジョーパスが居ないと言うだけです。

 

やってみますか?

 

 


LEGEND PLAYER ジョーパス (レジェンド・プレイヤー)

 

 

 

割と最近出版されたジョーパスコピー集 

  


Joe Pass Omnibook: For C Instruments