ボサノヴァソロギターは夏にぴったり
ブラジル音楽の大部分はギターで作曲されているため、ソロギターに向いた曲が多いと思います。
さらに、ブラジル人には優れたギタリストが多くクラシックからヘヴィーメタルまでソロギターアレンジの完成度は非常に高いです。
ナイロン弦に限定しても演奏者の多さはスパニッシュギター(通称クラシックギター)に匹敵するほどです。
目次
- 1、ボサノヴァソロギターアレンジ譜を最も多く出版しているのは日本人かも知れない
- 2、ブラジルの歴史的ギタリスト バーデン・パウエル
- 3、作曲家としてもギター奏者としても一流のルイス・ボンファ
- 4、カルロス・バルボサ=リマ
- 6、パウロ・ベリナッティ
- 7、演奏するとして
- 8、やっぱボサノヴァは弾き語りが基本かも
- 9、歌手の伴奏で
- 10、自分でアレンジする
- 11、大人のギターです
1、ボサノヴァソロギターアレンジ譜を最も多く出版しているのは日本人かも知れない
20世紀のポップ系クラシックギターアレンジの草分けは日本のようです。
もちろん、スペインでもアメリカでもブラジルでもかなり昔から多くの作品が出版されましたが、全世界を俯瞰したような選曲は日本が圧倒的でした。
クロードチアリが日本に住んでいたことも影響したのでしょうか。アントニオ古賀などから始まる日本人クラシックギタリストのポップ系への手の伸ばしようは世界最先端でした。
日本人に最も受けたとされるボサノヴァに関しても、ブラジル勢の圧倒的テクニックに対して日本ではバラエティに富んだ選曲を弾きやすい編曲で出版したのです。
代表的な編曲家は、江部賢一、竹内永和、両氏です。
日本の出版会社は編曲譜をポピュラー系として扱ったため、重版が少なく、一部の大手を除くと初版のみでプレミアになってしまう場合が多いです。
弾きやすいと言ってもクラシックギターの奏法を多少マスターしていないと難しいタイプではあります。
ボサノヴァを多く編曲した人は他にも、佐藤正美、佐藤弘和、斉藤まもる、中村喜朗、ジョアン杉田、金井ノブ、(敬称略)などがおり、最後の二人の編曲はネットで入手できます。(有料)
模範演奏はyoutubeで探すことになりますが、最近はダウンロードも増えてきたようです。
弾き語り&ソロで楽しむ! 憧れのボサノヴァ・ギター名曲選 【参考演奏CD付】
2、ブラジルの歴史的ギタリスト バーデン・パウエル
最も多くのボサノバ演奏を残した天才ギタリストで、インプロヴィゼイションにも長けていました。オリジナル曲も多くボサノヴァスタンダードにもなっています。
その必殺技の再現は難しいとされていましたが、現在はyoutubeで世界中のギタリストが研究の成果を発表できるため、コピー譜よりも参考になる動画が大量です。
彼の死後、息子がその演奏の多くを譜面に書きだし、フリー楽譜としてネットに発表しています。
ベースドラムを加えた録音の場合は、ベース打ちの位置変更などでソロアレンジするのがいいと思います。
3、作曲家としてもギター奏者としても一流のルイス・ボンファ
数々の名曲を手掛けたボンファも素晴らしいギター演奏を残しています。ハーモニーはジャズよりですが、そのノリの良さはサンバのスイングの最高峰と言ってもいいかと思います。
正確な譜面を手に入れるのが難しいかもしれませんが、ソロでも伴奏でもボサノヴァの王道と言えます。
4、カルロス・バルボサ=リマ
世界最高峰のクラシックギターの名手。ジョビン集とボンファ集が素晴らしい出来で譜面も出版されている。ノリはクラシック系ですが、圧倒的なテクニック見事の一言。というか弾けませんよね。簡単に直さないと。
ブラジルの水彩画の編曲はネットで探せます。弾けないと思うけど。
MORE BRAZILIAN MUSIC FOR ACOUSTIC GUITAR
6、パウロ・ベリナッティ
クラシック系の作曲家兼ギタリスト。ジョンゴなどのクラシックギターオリジナルの作曲家として名高いが、ジョビンのマイナー曲の編曲集とCD、DVD、も出している。
バーデン・パウエルを研究したCDも制作している。
また、ガロートの編曲集とCDはクラシックギタリストに高い評価を得たと思う。
以上ですが、もちろん若手の演奏もyoutube大量に聴けまして、様々な国の若者がボサノヴァソロに挑戦しているのが分かります。
7、演奏するとして
そんなに難しい曲を次々と弾きまくっている人は少ないと思います。
黒いオルフェをジャズっぽく、バーデンの軽快な曲を一曲、ジョビンの曲を日本人のアレンジで、フェリシダージをディアンス風に、軽快なサンバやショーロの曲を竹内さんのアレンジで、とかで幸せな音楽を味わえます。
リマはウォーキングインリオを少しずつ練習するとかで。
深刻に考えるより、サンバのノリ重視のほうがいいような気がします。
youtubeでジョアン杉田さんを検索して参考にするのがお勧めです。
地味ですが公園や駅前などで演奏しても迷惑にならず、ほとんどの場合は喜ばれます。
日本の夏は意外に長いです。5月~10月前半までは雨が降らない限り夏と言えますね。
8、やっぱボサノヴァは弾き語りが基本かも
無理にとは言いませんが、ブラジル人ギタリストはほとんどが歌も歌いますね。
80年代以降のクラシック系ブラジル人ギタリストはギターだけに書けている人も多いようです。
ボサノヴァではありませんがアサド兄弟とか。
つまり、ジョアン・ジルベルトも聴き込むべきで、出来たら歌も練習して観ると楽しいです。ポルトガル語ですが、数曲でもできると聴かせどころが倍増します。
女性ならナラ・レオンとかエリス・レジーナとか参考にして、ギターを持った姿がチャーミングです。
9、歌手の伴奏で
これが基本なので、もし歌う人がいたら伴奏を楽しめるようにしておくのが絶対です。
ジャズのコードをギターで覚えたかったら、ボサノヴァの伴奏を練習するのが一番手っ取り早いです。
10、自分でアレンジする
最初から挑戦するか、様々なアレンジを弾き込んでからにするかは個人の向き不向きで判断してください。
毎年、夏にはボサノヴァをと思っていても、夏になってから始めても間に合わないのです。計画的に冬のうちから仕込んでおくのが秘訣かもしれないです。
11、大人のギターです
このタイプはナイロン弦のクラシックギターが必要なので、関係ない人も多いでしょうが、ギター人生を歩むならいつかは挑戦してほしい分野です。
世界最高のリラクシングミュージックですが、時間をかけて順を追ってやれば、楽しめると思いますよ。