モノトニックスケール 1音のスケール
スケールについて、順番に書けばよかったのですが、需要のありそうなものから書いてきたので最後の方になってしまいました。
1音のスケール 「モノ」はラテン語で1ですので、モノトニックスケールです。
webで調べて見たら、カントリーブルースギターのモノトニック・ベースと言うのが出てきました。
本来の意味である「1音スケール」に関する記述は見つからなかったので、ここで考察してみたいと思います。
目次
- 1、1音スケールなんて聞いたことも無いと言う方へ
- 2、今回はモノトニックスケールをノートと呼びます。
- 3、1音スケール(ノート)の存在意義
- 4、1音のスケール(ノート)の練習方法
- 5、ノートへのアプローチ
- 6、ガイドトーン・ラインの装飾
- 7、長い、または短い音符の練習
- 8、音の先取り、遅らせた解決
- 9、アウトサイド・ノート
- 10、まとめ
1、1音スケールなんて聞いたことも無いと言う方へ
一般的では無い記述法または音楽用語ですが、他の用語では基本中の基本です。
トーンとかノートとか呼ばれています。
スケールの名前はルートの上にサウンドが重なって、CメジャートライアドとかCm7ペンタトニックなんてつけ方がほとんどですが、CコードにCのスケールを使用しなければならないと言う決まりはありません。
分かりやすい例だと、C△7サウンド上でC△テトラコード(ドレミソ)、G△テトラコード(ソラシレ)、D△テトラコード(レミファ♯ラ)がサウンドしますが、C音が無いものがあります。
テトラコードをメジャーペンタトニックに変えても同じ結果です。
以上の理由により、C△7上に12のモノトニックスケールが存在し、うち7つがインサイド、5つがアウトサイドになります。
もしかしたら♯5がインサイドとなる時代が来るかもしれませんが、現状はアウトサイド・ノートで問題ないと思います。
2、今回はモノトニックスケールをノートと呼びます。
インサイド、アウトサイドとダイアトニックスケールは微妙に違います。
ⅠM7をCとした場合、イオニアンスケール(ドレミファソラシ)ですが、インサイドノートはドレミファ♯ソラシになります。
Ⅴ7をG7ならミクソリディアン(ソラシドレミファ)ですが、インサイドノートはソラシド♯レミファです。
アボイドノートはアウトサイドですがその半音上の音はインサイドになります。
3、1音スケール(ノート)の存在意義
ひとつのコードに1音だけ演奏している例は少なく無いですが、厳密にはスケール特定はモノトニックスケールになります。
様々な考え方が可能ですが、1音スケールでは無いと言う根拠が必要です。
逆に考えると1音をスケールとして認識することで、1音だけと言う選択肢が出来ると言うことにもなります。
作曲にもアドリブ理論にも重要な考え方です。
2分音符で2つの音を使用した場合も、1音のスケールの切り替えと言う考え方が出来ます。
別の流派ではガイドトーンと呼ばれる場合もあります。(やや範囲は狭い)
ハーモニーをつなぎ合わせることを目的としたガイドトーンの塊をガイドトーン・ラインと呼び、装飾によってこれまでのスケールラインとはまるで違うメロディラインを作ることが可能です。
4、1音のスケール(ノート)の練習方法
1小節に一つの音を演奏することは耳を鍛えるために最も良い方法です。
楽器習得の最初期に時間をかけて練習するべきですが、これをやらなかった人はいつ始めても遅くはないと思います。
ブルースのカラオケを用意して各コードのルートを演奏することで力強いサウンドの意味を知ることが出来ます。馬鹿にしてはいけません。
続いて3度、5度、7度、9度、11度、13度 を演奏します。
次に1小節ごとに度数を変えて練習します。
1・3、1・5、1・7、1・9、1・11、1・13
3・1.3・5、3・7、3・9、3・11、3・13
5・1、5・3、5・7、5・9、5・11、5・13
7・1、7・3、7・5、7・9、7・11、7・13 ~
まだ続きますが、コードサウンドの基本である3と7を中心に練習を進めていくと良いでしょう。
曲のメロディがどのようなガイドトーンで造られているのか考えるのも重要です。
次に自由に度数を変えて、きちんと意識しながら音を出す練習をします。
1小節に1音で始めます。
1小節に何音でも構いません。2音くらいは意識して演奏できるように練習しましょう。
5、ノートへのアプローチ
1ノートが決定していればアプローチノートで短いリックを作ることは比較的簡単です。
クロマチックアプローチやダイアトニックアプローチを上下から考えますが、ノートの切り替えで長いラインを作ることもできます。
6、ガイドトーン・ラインの装飾
先にも述べたようにガイドトーンを繋ぐことによって非常にメロディックなラインの創作が可能になります。
ガイドトーンを繋ぐためには様々なスケール理論が可能ですが、全部知らなければならないと言う決まりもありません。
コード進行に対して2分音符のインサイドノートを配置して、コード分解などの知識をもとに装飾すれば、柔軟なラインの創作が可能になります。
メロディック・リズムの知識が役に立ちます。
7、長い、または短い音符の練習
1小節1音だと全音符から最小音符までの選択が可能です。
装飾にはリズム形式の制限はありませんので、音の長さの練習になります。
8、音の先取り、遅らせた解決
これはすべてのスケールにある可能性ですが、1音であれば特に試すべき(難しいかも)手法です。
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マイナーコンバージョンはここでも取り上げてみたいですね。
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9、アウトサイド・ノート
各コードに5つのアウトサイド・ノートが存在します。
ただし、アプローチの方法によってはガイドトーンは変化します。
それに準じてアウトサイド・ノートも変わります。
アウトサイドのノートを使用した場合は、解決を考えます。
曲のテンポやコードチェンジによって最良の方法は変わってきます。
本人のイメージにあっていれば解決する必要はありませんが、最小限にとどめるのが一般的です。
アウトサイド・ノートで美しいガイドトーン・ラインを作ることも可能ですが、マジなのかギャグなのかはっきりしないと混乱を招きます。
10、まとめ
1音を考えると言うことは音楽の基礎であり、最も可能性が大きい分野です。
0音を考える(休符を考える)ことと並んで重要なことではないかと思います。
ここに列挙した方法論以外に大量に可能性があると思います。
特にメロディ作曲の大きな範囲を占める考え方です。
コードサウンドを1音ずつ確かめながら演奏すると言う考えは初級から中級への最も重要なステップです。
なんとなくフレーズを演奏してプロ活動に至った人も多いと思いますが、一度立ち止まって練習し直してみる価値はあるはずです。
ラテン語の数字は1から始まっていますので、モノトニックが最小スケールになります。
音が無い状態、ゼロもまた考えるに値する理論ですので、いつか真面目に取り上げてみたいと思います。
皆さんもぜひ、7音階ありきの後付け理論を考え直して、独自の理論体系を考えてみてください。
必ず私には教えてください。お願いしますよ。
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