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竹中ギー太の忍法帖

ノンポリギター弾きの日々異常無し日記

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【ブルースギター】から【ジャズギター】への道のり 演奏家としての意見

ジャズはブルースである。

これが私の音楽観の基本です。

もっとも好きな音楽はブルースとジャズです。

 

 

ブルースとジャズのあいだには大きな隔たりがあると思っている人も多いでしょうが、実はそれほどでもないのです。

12小節ブルースとジャズブルースに集中すれば、この二つの音楽ジャンルが同一の根っこを持っていることを理解できると思います。

 

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目次

 

 

1、ブルース進行とは

 

ポピュラー音楽の基本でありインプロヴィゼイションの最も重要なエチュードでもあります。

ロバート・ジョンソンなど初期のブルース作曲家は8小節や16小節のコード進行もブルースの一部として取り上げていますが、ここでは基本的な12小節ブルース進行のみとします。

なぜなら、ジャズスタンダード曲の多くはブルースチェンジの延長線上にあり、無数のヴァリエーションを一度に取り上げるのは無理だからです。

 

基本的ブルースチェンジは

 

Ⅰ  Ⅰ  Ⅰ  Ⅰ

Ⅳ  Ⅳ  Ⅰ  Ⅰ

Ⅴ  Ⅴ  Ⅰ  Ⅰ

 

4小節のグループが3つで12小節です。

これはコード進行の基本を網羅したものです。

 

Ⅰ→Ⅰ  買い物に行こうと思ったけど家でアマゾンで買いました。 

Ⅳ→Ⅰ  近所の商店街で買ってきました。 

Ⅴ→Ⅰ  電車に乗って専門店で買ってきました。

 

こんな感じでしょうか。

あまり深刻に考えないほうがいいと思いますので。

すべて7thコードにするとブルージーな雰囲気になります。

 

2、コードをガッチリ固めて繰り返しに備える

 

毎日の生活の日課表のように時間で割ります。

自由度は減りますが、ソロ奏者は気にする必要は特にありません。

 

Ⅰ  Ⅳ  Ⅰ  Ⅰ

Ⅳ  Ⅳ  Ⅰ  Ⅰ

Ⅴ  Ⅳ  Ⅰ  Ⅴ

 

各グループの2小節目がⅣで、Ⅰに進行します。

これは通称「アーメン進行」と呼ばれるものでブルース特有のものです。

最後のコードに注目してください。

次のコーラスに向かうためのドミナントコードⅤで終わっています。

ジャズと言うものはこの考え方で拡張していくのです。

 

特殊な曲でない限り、すべてのブルースはこの進行でアドリブします。

 

3、ビバップ期のジャズブルース

 

1940年代のモダンジャズ黎明期ではブルースの重要性が思い出され、スタンダードコード進行と共に重要なレパートリーになります。

40年代初頭のジャムセッションで多用されたブルース進行は、

 

Ⅰ  Ⅳ7   Ⅰ  Ⅰ7

Ⅳ7   Ⅳ7   Ⅰ  Ⅵ7

Ⅱm7  Ⅴ7      Ⅰ  Ⅴ7

 

多少複雑そうに見えますが根幹は同じです。

格段の3小節目のⅠが根幹です。

各段の1小節目ですがⅡm7はⅤ7の代理ですので同じと考えてもいいです。

大きな違いは8小節目のⅥ7です。

このコード、Ⅱへ向かうセカンダリードミナントこそがジャズコードの要なのです。

 

さらに、チャーリーパーカーが考案したバードチェンジは、

 

ⅠM7  Ⅶm7♭5/Ⅲ7♭9  Ⅵm7/Ⅱ7     Ⅴm7/Ⅰ7

ⅣM7       Ⅳm7/♭Ⅶ7               Ⅲm7/Ⅵ7     ♭Ⅲm7/♭Ⅵ7

Ⅱm7       ♭Ⅵm7/♭Ⅱ7           ⅠM7             Ⅱm7/Ⅴ7

 

など、ドミナントモーションを使用した細かいチェンジが見られます。

 

4、ブルースからジャズブルースへ

 

基本としては3、の項の一つ目のコードチェンジが理解できれば全てOKです。

 

3段目にはビバップジャズっぽいⅡⅤチェンジのリックを使いたいところです。

取ってつけたようにならないためには、その直前のⅥ7が重要になります。

Ⅵ7でジャズラインが演奏できてⅡm7に解決さえできれば、他は主にブルーノートだけでも本格的なジャズソロになります。

 

ジャズと言うくらいだから全コードの分解ラインで行くのも一つの手ではありますが、そうでなくてはいけないと言う法律は無いのです。

 

ブルースもジャズも同様に名プレイヤーの研究から始めるのは最も自然です。

 

これは素晴らしい教材です。

ブルース12keyがそれぞれ2テイク、様々なジャンルのリズム。

バークレーだけあってCDの伴奏は本格的です。

一生使えるマイナスワンの決定版。楽天にしかありませんでした。

 
楽譜 バークリー・ブルース・インプロヴィゼイション/Bbインストゥルメンツ(CD付) 3282

5、ブルーノートスケールの理解

 

ブルーノートスケールは6音階で、5音階であるマイナーペンタトニックとは違います。

マイナーペンタトニックに♭5度の音を足したものとして覚えている方が多いと思いますが、独立したスケールとして考えるべきです。

 

ということで、ブルーノートスケールのスケール練習をします。

 

Cブルーノートスケールは

ド、ミ♭、ファ、ソ♭、ソ、シ♭  ですので楽器の全音域で練習します。

 

ギターの場合はチョーキング(ベンド)は使わずに練習することで多くの発見があるはずです。

 

そして、マイナーペンタトニックスケールはブルーノートスケールに含まれると言うことにも注目してください。

 

このスケールはkeyに対するブルーノート音である、♭Ⅲ、♭Ⅴ、♭Ⅶ と、keyを安定させるための機能音 Ⅰ、Ⅳ、Ⅴ、で出来ています。

メジャーkeyでもマイナーkeyでも同様の効果が得られます。

 

ブルーノ―トリックの創作にはある程度のセンスが必要とされますが、間違いと言うものはありませんので、自分のフィーリングの探求と同時進行するべきです。

 

 

6、ジャズのスイング

 

ブルースとの大きな違いはスイングという概念があることです。

 

スイングとは8分音符が中抜き3連のノリになるということで、多くの場合イメージしているよりも3連に近いものです。

正しいスイングを得るためには徹底的な3連符の練習が必須です。

中を抜かなくても2音で3連になるためには結構時間がかかりますのでメトロノームで充分に練習してください。

知ったかの先輩が出鱈目を吹き込む可能性があるようなので要注意。

 

4ビートジャズとはドラムのシンバルが完全な3連を叩きます。

これとソロ奏者の8分音符が常に同一であるとダサいと言う見方があります。

現代ではこの考えが主流なので、CDを参考にしてスイングのリズムの位置をコントロールできるように鍛えます。

センスとはリズムであり、フィールとはリズムである。と言われるくらい重要視されています。

 

昔はスイングできない黒人プレイヤーはマフィアに撃ち殺されたそうです。(ジョークですw)

 

定番のジェイミー・マイナスワン メジャー・マイナーともに12key で


Vol. 42: Blues In All Keys (Book & CD Set)

Minor Blues in All 12 Keys'

7、ジャズリックについて

 

ブルースに限りませんが、コーラスの初めのリックが最も注目されます。

つまりⅡⅤⅠフレーズは注目されないと言うことになります。

はっきり言って3段目など適当なブルーノートで流してもいいのです。

 

ブルースのアタマのリックをたくさん覚えられれば自信をもって演奏できるようになります。

そのためにはジャズのCDを楽器を問わず聴きまくるのが良いです。

良いリックは50年代に出尽くしたとも言われています。

 

私のお勧めプレイヤー5人

 

チャーリー・パーカー

バド・パウエル

ミルト・ジャクソン

キャノンボール・アダレイ

パット・マルティーノ

 

8、ジャズのジャムセッション

 

ジャズのセッションはブルースセッションに比べてバリエーションを重んじます。

リズム・メロディ・ハーモニーそれぞれが似通わないように注意して曲を選ぶのが普通です。

 

でも、ブルースしかできない人がいても良いのです。

それも個性です。

個性ある人の存在こそが最大のバリエーションだと理解できない人は、心が狭いと思います。

そして、当然ですが他者の個性も認めなくてはなりません。

それがセッションの本質です。

 

ジャズのジャムセッションに接して、ブルース以外の曲に興味がわいた場合はどんどん挑戦しましょう。

ジャズブルースのコードの知識があればスムーズに習得できるはずです。

 

9、マイナーコンバージョン

 

ジャズブルースに対してマイナーコンバージョンの技法は非常に相性が良いようです。

パットマルティーノもブルース演奏において最も本領を発揮する人です。

 

C7に対してGドリアンスケールを使用します。

その際、E音を強調するとサウンドが安定します。

F7にはCドリアンスケール(A音を強調)、G7にはDドリアン(B音を強調)

オルタード系の場合、例えばⅥ7であるA7に対してはB♭ドリアンスケールなどが使用できます。

 

ジャズブルースはマイナーコンバージョンとブルーノートスケールだけで充分に高度な演奏が可能ですが、センスが必要かも知れません。

 

10、ジャズはブルース

 

極論すればジャズはブルースの発展形です。

細かいことは気にせず、好きになれば必ず上達するものです。

 

ジャズと言う名のブルースもイカす音楽ですから触れてみてください

 

今日はこのくらいで。