ネガティブハーモニーについての観測
クロマチック魔方陣を折りたたんで紙飛行機 新しい理論を構築してみると言う欲求は音楽理論家なら一度は感じたことでしょう。
そこで、去年から話題になっている「ネガティブハーモニー」という理論の妥当性について考えてみたいと思います。
photo by Paul Croteau
スイスのErnst Levy という作曲家が考えたコンセプトで、その本が書かれた本は1985年に発売されています。
といことは新しくは無いですね。
マイナーコンバージョンと同じくらいの時期です。
Negative HarmonyではKey の中心・骨格を音階のRoot&5thと捉え、
その中間となるE音とEb音の「間」をKey Center(キーの中心)と定義し、
「特定のある〈音〉」ではなく
「特定のKeyのm3とM3の〈間〉」をaxisとすることです
Negative Harmony:Key の中心・骨格を音階のRoot&5thと捉え、その中間となるE音とEb音の「間」をKey Center(キーの中心)と定義し、キーセンターをaxisにして元のコード(スケールを)反転させる。
これは引用と言うか、単にNegative Harmony の概要です。
これ以上省略しようが無いですね。
スイングジャズは簡略化すればRootと♭5の2トニックシステムでした。
C△とG♭△では許容出来ない音があるものの、4度進行するドミナント7thであれば取り入れられるサウンドである、と言う理論。
クラシックの理論を取り入れることによって、3トニックシステム、4トニックシステム、6トニックシステム、12トニックシステムと発展したのですが、
Mirror Harmouy という単語によって2トニックシステムが蘇ったようです。
厳密には違うと皆は言いますが、検証してみましょう。
ドレミファソラシド は 全全半全全全半 の音程です。
ドを中心に折りたたむと、半全全全半全全 なのでフリージアンです。
なんだか面白くありませんね。
アダム・ロジャースはC△7でフリージアンスケールを使うのが好きだと言っていたそうですが、私はアダム・ロジャースは聞きません。
次に5度で反転させると、全半全全半全全 なのでエオリアンです。
マイナーkeyの原型なのか偶然なのか知りません。
どこで反転させてもイオニアンの展開形になるので。
Ernst Levy氏は5度の中間である、3度と♭3度のあいだで折りたたみました。
これをNegative Harmonyと名付けたようです。
Eの対象にE♭が来ますので、入れ替えたとするとマイナーになります。
これが名称の語源のようです。
E F F♯ G A♭ A
↕ ↕ ↕ ↕ ↕ ↕
E♭ D D♭ C B B♭
のようなミラーシステムのようです。
逆転しているので4度進行も5度進行に逆転したと強引に解釈すれば理論体系も可能かもしれません。
ジャズなどの厳密な音楽以外では5度進行のほうが好まれているからです。
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わたくしの立場としては、どんなにこねくり返そうとも、前提が7音階であっては認められません。
ネガティブハーモニーでビバップスケールを作ってから話がしたいと言うことです。
明るいものを暗くした? 2オクターブの連譜の後に明るくなったりしたら無意味です。
ネガティブだろうが何だろうが7音階では駄目だと言いたいのですよ。
Jacob Collierはリディアンスケールは明るいから好きだと言っていましたが、2オクターブ目はミクソリディアンなので微妙です。3オクターブ目はエオリアンですよ。
ネガティブなら、そのスケールを一本の大樹に育てるべきです。
そうしないとまともな音楽にはなりません。
ジョージ・ラッセルの「リディアン・クロマチック理論」は有名ですが、
どんな音楽が出来たのか知っている人は少ないと思います。
目的が七音階である場合は、私はその理論を否定します。
ネガティヴ・ハーモニーをギターで攻略 CD付 [ 田中裕一 ]
ネガティブハーモニーに関して田中祐一さんの現在の結論のようですが
得たい結果を先に設定し、そこから逆算してその結果を得るための何らかの「システム」を構築してさえすればよいからです。
田中祐一さんのHPから引用
引用元
http://blog.livedoor.jp/daytripper0419/archives/52410243.html