ジャズアドリブ入門 ブルース進行でスケール練習
ギター歴はあるけどジャズギターの知識はあまりないという人向けに、分かりやすい練習法を解説します。
ギター向けの練習法ではありませんので、ピアノやサックスなど全ての楽器で応用できるように書きました。
12小節ブルースを使用しますので、ジャズブルースのマイナスワンが必要です。
できれば12keyで使えるものがいいですね。
定番のジェイミー・マイナスワン メジャー・マイナーともに12key で
Vol. 42: Blues In All Keys (Book & CD Set)
Minor Blues in All 12 Keys'
Cのkeyのジャズブルースの基本的なコード進行は
C7 F7 C7 C7
F7 F7 C7 A7
Dm7 G7 C7 G7
これを12keyで完全に覚えるのですが、ひとつのkeyで覚えられれば12keyの半分は覚えたようなものです。
12keyで覚えた場合は、12keyのⅡⅤ-Ⅰを知ることが出来ますし、12keyのⅥ7も知ることが出来ます。
目次
- 1、モノトニックスケール(一音スケール)の練習
- 2、バイトニックスケール(インターバル)の練習
- 3、トライアド
- 4、テトラコードの練習
- 5、ペンタトニックの練習
- 6、ヘキサトニックスケールの練習
- 7、7音のスケールの練習
- 8、ビバップ・スケールの練習
- 9、9ノートハイブリットスケール
- 10、10音ビバップスケール
- 11、11音スケール ターゲットノート
- 12、クロマチックスケール
- 13、まとめ
1、モノトニックスケール(一音スケール)の練習
各コードのルートを全音符で演奏します。
ルートは屋台骨ですので様々なポジションで理解できれば非常に効果的です。
理論的な音選びの絶対にはずせない第一歩です。
各コードに対して7つのコードトーンを一つずつ演奏します。
コードトーンが7つもあるのか?と疑問を持った方に、あります!
1,3,5,7,9,11,13、の7つです。
C7ならド、ミ、ソ、シ♭、レ、ファ♯、ラ、の7つです。
これらをひとつずつマイナスワンで演奏してください。
2、バイトニックスケール(インターバル)の練習
インターバルは2音の音程差を聴かせる方法です。
バイトニックスケールには別の意味もあるのですが、今回はインターバルで。
マイナスワン上でインターバルを演奏する練習をします。
ルートを基調に、半音、2半音、3半音、4半音・・・と12の音程があります。(1オクターブ以内に限定)
下側にも12の音程があります。
ドレ♭という半音のインターバルですが、これはインサイドノートに解決しなくてはいけません。ドレ♭レと並べれば、半音のインターバルでありつつインサイドです。
ちょっと難しいので、コードトーン同士のインターバル(ステップと言う)だけから始めてもいいでしょう。
基音は12音全部ですが、最初は安定感のある1,3,5、から始めるのがいいと思います。
3、トライアド
Cメジャートライアド C△と表すは、ド、ミ、ソ
Cマイナートライアド Cmと表すは、ド、ミ♭、ソ
この基本形は12keyで覚えましょう。
ブルースの各コードに対して、3つの音を演奏します。4分音符が良いでしょう。
順番を変えて練習します。これはやりたいように適当で構いません。
123、132、213、231、312、321
展開形も重要です。
ドミソ、ミソド、ソドミ、これも上のように順番を変えて練習します。
トライアドの3音はコードサウンドの根幹でありまして非常に重要なものです。
耳を鍛えるためにも時間をかけて練習しましょう。
4、テトラコードの練習
Cメジャーに対して、ド、レ、ミ、ソ
Cマイナーに対して、ド、ミ♭、ファ、ソ
が、テトラコードの基本形です。
狂った理論がネットに流れていますが、気にしないでください。
これも耳を鍛えるためにさらに重要な練習になります。
ブルースのⅥ7は9度がフラットですので、A7の場合はラ、シ♭、ド♯、ミ、になります。
5、ペンタトニックの練習
ブルーノート・スケールではなく、ペンタトニック・スケールの練習です。
7thコードに対応するのはマイナー6thペンタトニックと呼ばれるもので、
C7に対しては、Gm6ペンタトニック、ソ、シ♭、ド、レ、ミ、というスケールです。
F7には、Cm6ペンタトニックスケール、ド、ミ♭、ファ、ソ、ラ
6、ヘキサトニックスケールの練習
最も基本的なトライアドペアである2/1から始めます。
C7に対して、ドミソ、レファ♯ラ、の音列です。
Cm7に対して、ドミ♭ソ、レファラ、ですが、
A7♭9には別の方法になりますが最初は飛ばしてもいいと思います。
例としてはD♭/A ラド♯ミ・レ♭ファラ♭
7、7音のスケールの練習
八分音符でドリアンスケールを演奏してみます。
C7にGドリアン、F7にCドリアン、Dm7にDドリアン、A7にB♭ドリアン
などです。
比較的自由なインプロヴィゼイションが可能になります。
8、ビバップ・スケールの練習
8音スケールのことですが、ダイアトニックスケールを基本に経過音を一つ加えます。
Cミクソリディアンに経過音、ドレミファソラシ♭シ の8音です。
ドからスタートで上行下行、ミから、ソから、シ♭からで1小節7音。
アボイドで止まる場合は調整。
Dm7にはレミファソラシドド♯
A7には、ラシ♭ド♯レミファソソ♯ 複雑そうですが、最後のソ♯が経過音です。
9、9ノートハイブリットスケール
今回は無しで
10、10音ビバップスケール
C7にはドド♯レレ♯ミファソラシ♭シ 9thのレをコードトーンとして採用。
Dmにはレミファファ♯ソソ♯ラシドド♯ 11thのソをコードトーンとして採用。
11、11音スケール ターゲットノート
次の小節のターゲット音を決めて自由自在に音を使う。
12、クロマチックスケール
クロマチックの上下行を使用。
ターゲット音を使って方向転換すると有効。
13、まとめ
ジャズのスケール理論を理解すのには時間がかかると思われがちですが、ブルース進行に限定することによって、ゼロからスタートでも安易に理解することが可能になります。
しかも実践的にです。
これが自由にできるようになれば、すべてのスタンダード進行に応用が可能です。
最も重要なことは、すべての練習が耳を鍛えることにつながると言うことです。
7音ダイアトニックスケールはサウンドが安定していないので、そればかり練習すると耳が悪くなりがちです。
実戦に繋がる練習を中心にすることで音楽を作ると言う創造性が出来るのです。
今回はここまでですが、もう少し深い練習法も可能です。
70記事記念として初心者からプロまで使えるとっておきの練習法を公開しました。
もっと深い練習法に関してはこのブログの「スケール理論」で公開済みですのでよろしく。