音楽用語、特にスケール名に難癖をつける。
私が天邪鬼な性格だからと言う理由だけでもなく、音楽世界の用語には不合理なものが明らかに多いです。
原因としては名の知れた理論家が言ったから、有名な本に書いてあるから、とよく考えもせずに妄信する輩が多いからではないでしょうか。
師曰く、正しい用語を使え!
用語、単語、名前と言うものは共通認識さえあれば、何を当てても良いと言うことはないのです。
重要な会話に使うものですから、単語だけでも脳に響くものを選ばなくては間違って伝わる危険性が増えます。
掲示板などの音が理論の会話を読むと私には、
「ゲロエモン、助けてクレヨン」「よーし、僕の6次元パンツはすごいんだぞ」
「それは、何でごぜーますか?」「どこでも地下室!!」
そんな会話に見えてしまいます。
一度決めた用語を正すのは割と簡単です。
誰もが使うりっぱな書籍に書いておくだけで良いのです。
多少の反動勢力は現れるでしょうが、納得がいくものならすぐに鎮静化します。
一例として、ジャズのジャムセッションで通称【青本】というメロディもコードも雑な、というより間違った本が広がってしまい、曲を覚えられない下級プロのバイブルになってしまいました。
酷いときには、正しく曲を練習してきたアマチュアに向かって、店のホストが【青本】通りにやらなくては駄目だ、などと説教を始める始末。
これが、納浩一さんが書いた、通称【黒本】の発刊と同時に消えたのです。
下級ホスト、下級プロにとっては、本さえあればなんでも良かったのです。
さて、ちょっとおかしいと感じる音楽用語の実例ですが、主にジャズ理論とします。
なぜかと言いますと、権威至上主義に関してはジャズよりクラシックのほうが酷く、クラシックのほうが狂った用語が圧倒的に多すぎるからです。
1、スケール名は
① イオニアン
② ドリアン
③ フリージアン
④ リディアン
⑤ ミクソリディアン
⑥ エオリアン
⑦ ロクリアン
の七つのモード。
展開形なので全部同じですが、それぞれ伴奏形態を整えることによってモードと言う別のサウンドが現れ、音楽として独立します。
なので、展開形に名前を付けるのには納得できます。
それぞれかっこいい名前で覚えやすいのですが、ミクソリディアンとは何でしょうか?
リディアンの変化形のように聞こえますが、2音も違います。
変化形と言う意味ならミクソイオニアンではないのでしょうか?
これはおそらく、クラシックのⅣとⅤの同族分けから発した根拠の無い名称でしょう。ミクソリディアンには別のカッコイイ名称を希望します。
2、メロディックマイナー
いったいなにがメロディックなんですかね。
流れから言ってドリアン△7と呼ぶべきでしょう。
3、ハーモニックマイナー
上のスケールとの名称の違いに根拠が感じられません。
エオリアン△7 でしょう。
一般的にこの二つはメジャースケールと合わせて特別扱いされています。
ひとつのスケールにふたつの名称があると言う状況ですが、現代理論では説明が足りていません。
イオニアン♭6 → ハーモニックメジャー これも意味不明。
七つのモードにカッコいい名前を決めたので、それに準じればもっと分かりやすくなります。
4、オルタード、スーパーロクリアン、ホールトーンディミニッシュ
これは全部同じスケールの名前ですが、一般的にはオルタードと呼ばれます。
ミクソリディアンを基本にオルタードできる音を全部変化させたので、オルタード
と言う名称が適当でしょうか?
3度は♭していますから。マイナー系のスーパーロクリアンが良さそうですが、4度も♭してメジャー3になっています。♭4だと主張してもマイナーコードには調和しませんので、メジャーサウンドと考えます。
5、ハーモニックマイナーパーフェクト5thビロウ
お馬鹿名称です。
スケールを覚えられない人がハーモニックマイナーと同じとして覚えた名残りでしょう。
6、リディアン7th
本来ならミクソリディアンになるはずが、押し出された結果ストレートな名称になった。これはこっちでいいと思います。
7、コンビネーションディミニッシュ
ディミニッシュの展開形がなぜコンビネーションなのかと問いたい。
しかし、コンディミという通り名は呼びやすい。意味は通らないが。
8、テトラコード
1オクターブでバランスの良い4音スケールを、テトラコード、あるいはテトラコルドと呼びます。
基本形は、C△2 = ドレミソ Cm4 = ドミ♭ファソ
9.ペンタトニック
ペンタトニックは1オクターブで5音のスケールと言う意味なので、一般的に知られるペンタトニックスケールには別の名称が必要です。
トライアド→テトラコード→ペンタ〇〇 ペンタでも通じますが、それでいいのか?。
10、ブルーノート、ブルーススケール、マイナーペンタ(?)、メジャーブルーノート
それぞれ、指しているものが違うので整理すれば良いのでしょうが、非常に混乱しています。
混乱してこそのブルースだ!などと言い出す人まで現れる始末です。
11、ヘキサトニック
本来は1オクターブで6音と言う意味。
トライアドペアとの混乱が見られます。
6音階で流れに沿えば、ドレミソラ~〇~ドレミファソラシドですから、
ドレミソラシかドレミファソラしかありません。まあ前者でしょう。
名称も、ヘキサ〇〇
まだ存在してない理論ですね。
12、ビバップスケール
ビバップ期に発展したのでこういう名称ですが、狂ってますね。
8音で正しい名称が一般的になればいいのですが。
13、10音ビバップスケール
同上
14、シンメトリックオーギュメント、9音シンメトリックオーギュメント
意味は分かるのですが、呼びにくいです。
5度が♯したスケールは全部オーギュメントと言うことでややこしくなったようです。
15、テトラトニックスケール
ドファファ♯シの4音にハル・クルックが名付けた
勝手に名前を付けないでください。これは4音スケールの全ての名称です。
この音列には別の名称をつけるべきです。
16、トライトニックスケール
ドファソにハル・クルックがつけた名称。同上です。
sus4トライアドが良いでしょう。
17、ロクリアン♯2
2度が♯しているのか♮しているのか?最近は♮2の名称も見ますので統一を。
個人的にはジェリーバー・ガンジー氏の感覚に共感していまして、ハル・クルック大先生のネーミングセンスは理解できないです。
私が上に書いたことは否定されるものもあるでしょうが、だいたいは納得できる用語付けだと思います。
これを、世界的で立派な理論署で使用してくれれば、すぐに混乱は無くなると考えています。
スケールだけでなく、メロディ理論やリズム理論も用語が混乱しています。
これらは過去の権威者を恐れることなく、普通に考えれば誰でも簡単に正すことは出来ます。
やはり、怖いのは頭の切り替えが出来なくなっている老害でしょうか?
ジャズ理論の権威がこれ以下無いくらい失墜している今だからこそ可能なのではないでしょうか。