スケール理論の全体像を知ること ジャズ理論の再構成
ジャズ理論の再構成につての考察を続けたいと思います。
すべての音楽に応用が利く純粋な理論としてです。
かなり前ですがこんな会話を聞いたことがあったような気がします。
講師「今日はペンタトニックスケールにつて講義します」
生徒「えっ!それって5つの音でスケールなんですか?」
講師「えっ?」
生徒「はあ?」
講師「そんなことを聞いてはいけません!」
何がいけないのか知りませんが、呼び名にスケールってついてるじゃないですか。
ちなみにディミニッシュスケールは8音、ホールトーンスケールは6音ですから、これだけで5音、6音、7音、8音まで揃ったわけです。
もう言い逃れはできませんよね(笑)
目次
1、本当の意味でのスケールの種類
ペンタトニックスケールのペンタというのはラテン語で5という意味なので、その流れで全部書き出してみると、
1音 モノトニックスケール
2音 バイトニックスケール
3音 トライトニックスケール
4音 テトラトニックスケール
5音 ペンタトニックスケール
6音 ヘキサトニックスケール
7音 ヘプタトニックスケール
8音 オクタトニックスケール
9音 エンネアトニックスケール
10音 デカトニックスケール
11音 ウンデカトニックスケール
12音 ドデカトニックスケール
ペンタトニック以外は聞きなれないスケール名かもしれませんが、モノやバイなど日本語になっている単語もありますし、トライトニック、テトラトニック、ヘキサトニックはコンテンポラリージャズではよくつかわれる単語です。
2、スケール理論とは
ただ名前を付けただけですが、正しい理論の第一歩は理解しやすい名称です。音の数をラテン語で表しただけなので明瞭です。
ダイアトニックという単語をよく聞きますが、これは理論というより楽器の呼び名で、1オクターブを5つの全音と2つの半音で満たす音階で、これしか鍵盤のない楽器をダイアトニック楽器と呼びます。対称となるのはクロマチック楽器。
この12種類のスケールを音楽創作のために図式化することをスケール理論と呼びます。
先にダイアトニックありきのこじつけ理論とは違うのですよ。
でも、クロマチックありきではあるんですけどね。
平均率では音が濁るのは確かですが、まあ気圧とか重力の問題だと思うので音楽理論では考慮されていません。
3、用語の問題
正しい理論は正しい用語を設定しなくては構成できません。
古代ギリシャ語とラテン語とドイツ語と英語と日本語が混ざっていたら、簡単な理屈でも理解不能になりそうです。
ダイアトニックスケールはヘプタトニックスケールの中に含まれます。
歴史的には特別なスケールとはいってもローマ帝国の範囲内だけです。
4、実用的なスケールから始める
実用的と言っても地域やジャンルによって変化するのは経験上知っていると思います。
しかし、基本的にはこのスケール理論内であると考えます。
微妙に音をずらしているのは弾いている本人の好みということで理論としては取り上げないことにします。
平均率の音のずれを調節したのが始まりかもしれませんし。
スケール理論は非常に明快な1オクターブ内の音数でまとめられますが、既存の音楽への応用ということになると、コード、メロディ、リズムが複雑に絡み合います。
アヴェイラブルノートスケールが万能であると主張する人がいまだに存在するようですが、12種類のスケールの中の一つのさらに一部分であると知るべきです。
5、最後に
これは巨大な音楽理論の一部分の名称付けにすぎませんが、勘のいいひとなら発展法に気が付いたかもしれません。
正しくない音楽理論の権威にすがる古い体質の講師がいまだに多い中で、このようなことを主張するのは反発も多いと思いますが、だれでも理解できるような手順を踏んで進めていけたらと思っています。
応援または反論のある方はぜひ交流してください。
論点の間違いに気づいた方はご教授ください。
今回も読んでくださりありがとうございました。