ジャズスケール理論 前半戦
12種類のスケールの実用的な理解の方法のアイディアを書いていきます。
今回は前半となります。
1音 モノトニックスケール
モノトーン(単色)のモノですから日本語としても通用します。
1オクターブ内に12個の音がありますので、モノトニックスケールは全部で12個です。
全てのスケールに存在する考え方ですが、展開と言うものがあります。
コードに対する何度と言う考えを取り入れた場合は、一つのコードに対して12個のモノトニックスケールと言うことになりやや複雑化します。
スケールと呼ばずにトーンと呼んだほうがいいかもしれません。
コードトーンとノンコードトーンに分けられますが、どこに境界線を引くのかは派閥が出来そうです。
一般的には一つのコードタイプに対してインサイドな7つの音とアウトサイドな5つの音で区別されると思います。
音が決まれば様々なアプローチが可能になるので、演奏者や作曲者の意識の問題へと変化していきます。
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2音 バイトニックスケール
インターバルと呼ばれることが多いスケールです。
1オクターブ12音に対して上下に12のインターバルが可能です。
インターバル自体がアプローチノートになる場合もあります。
チャーリーパーカーが得意とする、Cメジャー上での「ドファレレ♯ ミ」と言う音列は、頭のドファという4度のインターバルが目的でその後に解決すると言う流れです。
解決法が正しければ、1個のコード上であらゆるインターバルが可能となります。
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3音 トライトニックスケール
トライアドも含む3音のスケールです。
ハルクルックはドファソという3音スケールに対してトライトニックスケールという呼び名を限定していましたが、名称の意味からしてすべての3音スケールをこう呼ぶべきです。
ドファソは現在では珍しい音列ではなくなっているのでsus4トライアドと考えたほうがいいと思います。
トライアドをメジャー、マイナー、ディミニッシュ、オーギュメントに限定した場合、一つのコードに対して7つのトライアドがインサイドとなります。
インサイドトライアドはインサイドノート上に作られます。
sus4を含むと別系統で多数のsus4トライアドも使用できます。
3音スケールはクロマチックの12音の組み合わせで多数できますが、まずはこの流れで学習したほうが良いような気がします。(ご意見希望)
練習法は
1ド 2ミ 3ソ で 123、132、213、231、312、321
同様に展開形となる 1ソ 2ド 3ミ と 1ミ 2ソ 3ド
または4音ユニット 1ド 2ミ 3ソ 4ド
で、1234、1243、1324、1342、1423、1432、2134 ~
で行いますが、音数が少ないの大変ではないと思います。
同様にマイナー、ディミニッシュ、オーギュメント、sus4 ですが、毎日の課題とするのは個人の自由だと思います。ある程度やれば身につくので。
アドリブで使用したい場合は2オクターブを複数ポジションで練習することを推奨します。
Cメジャー7thに対して、ローワーストラクチャーがドミソ、ラドミ ミドルストラクチャーがソシレ、ミソシ アッパーストラクチャーはレファ♯ラ、シレファ♯になります。ファ♯ラドもインサイドですが区分は微妙です。
sus4トライアドの場合は
Cメジャー7thに対して
D、E、G、A、B、の五つがインサイドになります。
4度進行するドミナント7thの場合はオルター度ノートを自由に加えられるのでさらに増えます。
4音 テトラトニックスケール
別名テトラコルド このスケールは混乱した見方が目立ちますが、1オクターブ内4音のスケールと言う意味です。
かなり多くのスケールの形成が可能ですが、第一歩となる基本形は、Cメジャーでドレミソ、Cマイナーでドミ♭ファソの二つです。
理由はトライアドとペンタトニックを結ぶものだからですが、可能性を狭めるものではありません。
練習法は
1ド 2レ 3ミ 4ソ として、
1234、1243、1324、1342、1423、1432、2134、2143、2314、2341、2413、2431、3124、3142、3214、3241、3412、3421、4123、4132、4213、4231、4312、4321
4の階乗である24個の組み合わせがあります。
さらに展開して、ソドレミ、ミソドレ、レミソド、で同様に。
このスケールには2度がありますので、C7♭9の場合はドレ♭ミソというスケールになります。
ドレミソはローワーストラクチャーですので、ミドルストラクチャーはソラシレ、アッパーストラクチャーはレミファ♯ラ となります。
マイナーの場合は、ドミ♭ファソ → ソシ♭ドレ → レファソラ
♭7thの場合は、ドレミソ → ソラシ♭レ → レミファ♯ラ と少し変化します。
また、2オクターブに渡る練習も行わなくてはアドリブへの応用が利きにくくなると思います。
このタイプの練習法は一時期に集中してやればいいもので、一生毎日やるものでもないと思います。
ファイナルファンタジーⅤの印象的なメロディはこのスケールを使ったものです。
詳しくは以下の記事で
5音 ペンタトニックスケール
一般に知れ渡ったスケールですので、一般的な練習法でいいと思います。ギターフレット上では5つのポジションが出来上がります。
Am7ペンタトニックとC6ペンタトニックは同一なので、Am7ペンタトニックに統一するのが分かりやすいと思います。
ギターでは5フレットに人差し指があたるポジションで、
ラドレミ、ドレミソ、レミソラ、ミソラド~ 一弦8フレットから ドラソミ、ラソミレ、ソミレド、ミレドラ~
レラドレ、ミドレミ、ソレミソ、ラミソラ~ 二弦8フレットから ソドラソ、ミラソミ、レソミレ、ドミレド~
など、4音パターンで練習するのが良いでしょう。
Am7に対して、ローワーストラクチャーはラドレミソ、ミドルストラクチャーはミソラシレ、アッパーストラクチャーはシレミファ♯ラ となりますので使用してみてください。
注意 アッパーストラクチャー単独では伴奏が無い場合は別のコードに聞こえてしまいます。
D7に最も調和するペンタトニックスケールはAm6ペンタトニック(ラドレミファ♯)となります。裏コードのスケールなどの利用でビバップコード進行にも上手く使用できます。
また、Am7ペンタトニックの5つの音を半音ずつ下げた場合、新たに4つのペンタトニックスケールが出来あがります。一つは展開形になるので除外。
ラ♭ドレミソ Cメジャー♭6ペンタトニック
ラシレミソ Eマイナー7thペンタトニックの展開系
ラドレ♭ミソ Cメジャー♭2ペンタトニック
ラドレミ♭ソ Aマイナー7th♭5ペンタトニック
ラドレミファ♯ Aマイナー6thペンタトニック
ラ♭ドレミファ♯ A♭ホールトーンペンタトニック
ペンタトニックに興味がある人なら全部やって見る価値がありますが、それほどでもない人なら練習方法や理解するかどうかを選んでもらっても結構です。
詳しくは以下の記事で
以上、今回は1音から5音によるスケールを説明しましたがいかがだったでしょうか。
現段階では五線譜を使用していませんので、説明不足気味ですが、取りあえずは最後まで進みたいと思います。
ご意見期待しつつ、次回の構想を練ることとします。
最後まで読んでくださった方には「お疲れさまでした」とねぎらいたい、疲れる内容でした。